帯状疱疹
2021年9月8日
帯状疱疹とは
体の片側の一部にピリピリとした痛みを感じ、その部分に赤い発疹や水ぶくれが出現します。
痛みは増していき、夜も眠れないほど激しくなることもあります。
稀に、強い腰痛や胸痛のため整形外科や循環器内科を受診した結果、実は帯状疱疹だった・・・という例もあります。
水ぼうそうと同じウィルスが関与するこの疾患は、主に高齢者に見られる疾患ですが、年齢に関係なく小さいお子さんでも発症します。
加齢などの免疫力の低下が発症の原因で、特に50歳代から発症率が高くなります。
疲労やストレスもきっかけになるようです。
帯状疱疹は適切な治療を受ければ普通は数週間で良くなる疾患です。
帯状疱疹について知っておきたいこと
「早期診断・早期治療が大事」。
発症すると、皮膚の症状だけではなく神経にも炎症が起こる疾患なので、神経の損傷がひどいと皮膚症状が治った後も痛みが続くことがあります。
すなわち、できるだけ早く発見をして、きちんとした治療を受けて、「痛みを取り除く」ことが大変重要です。
帯状疱疹後神経痛(PHN)
神経損傷がひどいと痛みが残ることがあります。3か月以上痛みが続くものを帯状疱疹後神経痛(PHN)と呼びます。50歳以上で帯状疱疹を発症した人のうち、約2割がPHNになるといわれています。
早期の治療はPHNへの移行も防ぎます。
帯状疱疹の診断方法
患者さんへの詳しい問診と皮膚症状から診断をします。
具体的には特徴的な痛みと赤みをともなった水ぶくれが多くの場合確認できます。
中には、単純ヘルペスと迷う症例があり迅速検査を行うこともあります。
帯状疱疹の治療方法
抗ウィルス薬の内服が基本です。腎機能が悪い方だと飲み薬の量を調節する必要があるので、至急で血液検査を行います。
あまり痛みがない人でも途中から痛くなったりする場合があるので鎮痛薬や、神経痛のための内服薬も同時に処方をします。
よくある質問
Q;お風呂は入ってもいいですか?
A;入浴はしてもらって大丈夫です。神経痛は温めた方が痛みはやわらぎます。ですが、水ぶくれが破けている場合など、皮膚症状がひどい方にはシャワー浴のみにして頂きます。担当医師に確認下さい。
Q;うつりますか?
A;水ぼうそうに罹患したことのない人にはうつる可能性があります。
近年は水ぼうそうに罹患せず大人になっている方もいらっしゃるようです。帯状疱疹の方は自分の免疫も下がっている点も考えて、自宅安静が望ましいです。
Q;妊婦や授乳婦が帯状疱疹に感染したら?
A;まず妊娠中に帯状疱疹を患った場合ですが、帯状疱疹は基本的に神経を通って広がるため胎児には影響はありません。ですが重症化すると、ウイルスが血液中に入って全身に運ばれてしまい、胎児に影響する可能性もあります。
また妊婦さんが抗ウィルス薬を内服可能か否かに関しては、薬の添付文書上「妊婦もしくは妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみに使用すること」とあります。判断に迷う時期であればかかりつけの婦人科に相談してもらうこともあります。
次に授乳婦さんが帯状疱疹を患った場合です。稀ではありますが赤ちゃんに水ぼうそうとして感染する可能性があります。また授乳婦さんの抗ウィルス薬の内服に関しては、添付文書には授乳婦への投与は慎重に行うことと記されておりますが米国のサイトでは授乳に問題はないと書かれております。それでも心配な方は飲む薬によっても違いますが、服用後1~2時間で血中濃度がピークになりますので授乳直後に薬を飲むことをオススメします
Q;予防はできますか?
A;予防としては水ぼうそうのワクチンです。接種をすることで発症しにくくなる、たとえなったとしても重症化しにくくなる様です。50歳を過ぎたら予防接種ができます。ご相談ください。
*先述にもあるように、予防接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありません。
*帯状疱疹ワクチン接種(自費 ¥7.700-)